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6月優待 金券系 vs 商品系を徹底検証 利回りは?値動きは?

最終更新 2019/6/20 11:23

配当など6月末の権利確定日が接近している。12月期決算企業の中間期にあたるため、優待実施の企業も100社超と多めだ。「ザ・優待銘柄」の日本マクドナルドホールディングス(2702)、すかいらーくホールディングス(3197)や「いきなり!ステーキ」のペッパーフードサービス(3053)、ブロンコビリー(3091)など人気の外食関連の優待も多いほか、ホンダ(7267)は四半期末ごとに優待を実施。応募制だが6月末は工場見学やカレンダーなどが予定されており、個性派も顔をのぞかせる。

優待の魅力は配当に上乗せできる価値とともに、自分が気に入った店の食事券や商品を使う楽しみでもある。そこで今回は、個性は乏しくともお金での価値の換算がしやすいクオカードなど金券類の株主優待(=金券系)と、自社の商品やサービスを提供する(サービス内でのキャッシュバック含む)独自色の強い株主優待(=商品系)で比べた。なお、クオカードと自社サービス双方を同時実施している場合や地元商品、カタログギフトを提供している場合は比較対象から外している。

まず、配当と優待を金額算した場合の利回りで比較すると、上位10社の平均は金券系で4.1%。一方、商品系の平均は31.6%で圧倒的に商品系にお得感が強い。
 例えば首位の藤田観光(9722)。仮に100株を保有していると、「ホテル椿山荘東京」や「箱根小湧園」など有名ホテルや旅館に割安に泊まれたり、レストランを利用できたりする株主優待券が10枚、提携企業のワシントンホテルの割引券も3枚もらえる。割引対象は室料のみだが、ホームページ掲載のモデルケースでみると、「箱根小湧園 天悠」の露天風呂付客室が1泊2食付きで通常価格7万1280円~(1室あたり2名利用)のところ、株主優待価格だと4万9680円~で、宿泊可能。プチ贅沢が楽しめそうだ。

気になったのは、熊本などで遊園地を展開するグリーンランドリゾート(9656)。5万円弱でグリーンランド遊園地の1600円の無料入園チケットが2枚もらえるのは、九州で小さい子どもを抱える著者には魅力的だが、乗り物などには別途料金がかかる。1万株以上の保有で株主とその家族を含め6人の入園や乗り物が無料(半年間)になるうえVIPルームも使える「VIPフリーパス」がもらえるが、そのために400~500万円を投じると考えると悩ましい……。ちなみに、かのオリエンタルランド(4661)は3月末の権利確定では100株から優待権利が得られるが、1枚の1デーパスポート(大人7400円)をもらうのに足元の株価水準だと130万円強が必要な計算だ。

では値動きはどうか。権利確定に向けて上昇が目立った上位10社を指数化して、昨年の権利確定日(6月26日)をはさんだ値動きを指数化して比較した(18年5月29日=5月の権利落ち日、7月26日=7月の権利付き最終売買日)。

■商品系銘柄のほうが権利落ち後の株価の下げがやや大きい


金券系は8.2ポイント上昇し、確定後は4.1ポイント下落。一方、商品系は7.3ポイント上昇、6.7ポイント下落で、商品系のほうが権利落ち後の反動が大きく出やすかった印象だ。下の評の騰落率上位20社の平均をみても同じような傾向だ。

銘柄間の差も大きいので個別で見ると、例えばブロンコBは8%の上昇に対し、22%強の下落。マクドナルドも5%の上昇に対し、9%の下落、「築地銀だこ」のホットランド(3196)も3%の上昇に対し9%近い下落と、食事券がもらえる銘柄で権利落ちの影響が濃く出ている。商品系は、より権利獲得が目的化しやすい面が反映されているようだ。

では、今年の傾向はどうか。権利確定に向け5月末以降、上昇率上位20社をランキングした。うち、クオカードなどの金券系が7社(併用含む)、12社が商品や割引券、商品交換などのポイント制度が1社だった。上昇率上位20社の権利獲得のための最低購入金額は14万9060円と、6月末を権利獲得基準とする全企業の平均(18万2714円)を下回る。より少額なものが好まれる傾向で、配当と優待を合算した利回りも平均に比べ2ポイント強高めだ。今年は株価もさえない銘柄が多い中でキャピタルゲインが見込みにくい。優待だけでなく、配当利回りが高めな企業に着目している投資家も多そうだ。

企業にとっても一定の負担である優待。少しでも長期保有につなげようと、保有株数によって傾斜をつけるほか、優待の権利を獲得するまでに一定期間の保有を求める企業も増えつつある。例えば「ファン株主」作りで個人株主獲得のため優待を強化してきたカゴメ(2811)や6月に入って優待復活を発表した大塚家具(8186)は半年以上の継続保有が必要で、リンクアンドモチベーション(2170)や日本エスコン(8892)などは1年以上の継続保有を前提としている。日本たばこ産業(2914)も12月末から適用予定の新制度では1年以上の継続保有の株主を対象に、年1回の実施に移行する予定だ。

単元も1単元からではない場合もある。例えばクラレ(3405)やFCホールディングス(6542)は10単元以上の保有が対象になる。一方、ペッパーは18年12月末から優待を従来の3単元以上の保有から1単元に対象を広げ、幅広い株主の取り込みを狙う。制度の微調整が増えている点も注意しておきたい。(弓ちあき)

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