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クリーンエネルギー投資、仏公庫の保有銘柄に見るSDGs最前線

QUICKコメントチーム=山口正仁、写真=Stephanie Keith/Getty Images

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が国連機関と共催で、地球温暖化対策や国連が掲げる持続可能な開発にいかに投資すべきかを議論する会議を9月5日に国連本部で開いた。日本では報道が少なかったと記憶しているが、NHKのニュースは、全米の投資家や投資ファンドから約200人の出席者があったと伝えていた。

国連が掲げる2030年までの、持続可能な17の開発目標(SDGs)のうち、7番目の目標が「安価かつ信頼できるクリーンエネルギーを普及させる」で、株式投資に深く関係する項目である。エネルギー効率を向上させる技術が実用化されれば化石燃料産業は投資先から徐々に除外されてゆくだろう。化石燃料に替わって二酸化炭素排出を抑制したクリーンエネルギーによる交通手段の実現にかかわるサービス提供や技術開発を手掛ける企業がいずれは、今後の有力な投資対象の地位を得ることとなるだろう。

一方で23日に国連で開かれた「気候行動サミット」は各種メディアがこぞって採り上げていた。国連ウェブサイトの報告書によると、総額で約2兆4000億米ドルの資産を運用する年金基金や保険会社が、2050年までに資産ポートフォリオを温室効果ガスの排出をニュートラル(実質ゼロ)に調整することで合意している。

メディア向けのプレスリリースでは、各年金基金や保険会社がどのようにネット・ゼロ・エミッション(net zero emission)に取り組んできたかについて、代表者のコメントが複数掲載されており興味深く読んだ。

こうした年金基金がどのような銘柄を保有しているか、QUICK FactSet Workstationで保有銘柄を検索してみた。詳細は未収録という例が多く複数ファンドの並列での検証ができなかったが、フランスの公的金融機関であるCaisse des Depots(預金供託公庫)については保有銘柄の概要を知ることができた。エリック・ロンバード最高経営責任者(CEO)はプレスリリースに「公庫が20年近く具体的かつ定量化できる結果を伴って、地球温暖化に対し積極的に関与してきた」とのコメントを寄せている。

  • フランス預金供託公庫の保有銘柄上位
  • 銘柄名    総計に占める保有比率(%)
    ——————————————-
    1 Valeo Sa Ord           72.71
    2 Qwant Sas Series B       6.52
    3 Solaire Durance Sas Pvt Eq Sh   2.17
    4 Axegaz Sas Series C                 2.17
    5 Aalto Power Sas Pvt Eq Sh        2.17
    6 Apcfc Sa Pvt Eq Sh                   2.13
    7 Ecolya Sas Pvt Eq Sh                1.85
    8 Freshmile Sas Pvt Eq Sh           1.65
    9 Santoline Sas Pvt Eq Sh            1.47
    10 Guyane Lycees Sas Pvt Eq Sh  1.43
  • データ:QUICK FactSet Workstation

保有比率がもっとも72%と突出していたのは仏のValeo(バレオ)社で、ウェブサイトから事業内容をみてみると、「燃費の低減とCO2排出量の削減を実現するための革新的なパワートレインソリューションを開発」しているとあった。2位の仏Qwant(クワント)社はプライバシーを重視した検索エンジンの企業だった。そのほかはおおむねエネルギー関連の銘柄が多いとみたが、8位の英Fleshmile(フレッシュマイル)は電気自動車の充電サービスを手掛けるなど、個人から工場向けなど幅広い規模での電源供給サービスを提供している。

東京株式市場でも、例えばフィンテックやQRコードなど従来の分類や業種では収まりきれない銘柄群が現われはじめている。クリーンエネルギーの投資先は、現時点ではすき間産業(ニッチ)的な存在であったり、現行の業種とはまったく異なるカテゴリーであっておかしくないだろう。脱化石燃料の電気自動車(EV)、次世代通信規格(5G)や画像解析、センサー技術、空間認識などの自動運転技術を盛り込んだ次世代自動車などが銘柄選択のわかりやすい例ではあるが、クリーンエネルギーの潮流を知る努力も欠かせない。

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