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【Art Market Review】菅木志雄、身近な「もの」が問いかける本質

前回に続いて、7月27日に開催されたSBIアートオークションをレポートする(8月はアートオークション=メインセールの開催なし)。

今回は、1960年代末から70年代初めにかけて起きた芸術運動「もの派」の中心人物として知られている菅木志雄(すが・きしお、1944~)をクローズアップする。菅は、木や石、紙、金属、布など身近でシンプルな「もの」を素材とし、空間・物の在り方・事柄など本質的な問いを主題に多くのインスタレーションを発表している。

国内だけでなく、海外でもその評価は高い。パリのポンピドーセンター、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館などで開催された展覧会で数多くの作品が出展されているほか、ダラス美術館、スコットランド国立美術館などにも作品が収蔵されている。今年6月には、東京・六本木の小山登美夫ギャラリーで個展「測られた区体」が開かれるなど、75歳の現在も、自身の世界観に満ちた作品を生み出し続けている。

今回のセールでは、5点のオリジナル作品が出品された。

1975年に制作された光沢紙による平面作品の「〈依界〉シリーズ」は、落札予想価格30万~50万円のところ、36万8000円で落札された。1999年に制作された木と塗料を使ったレリーフ状の平面作品「耕識」「耤置」の2作品はいずれも、落札予想価格25万~35万円の上限を上回る39万1000円で落札。1988年制作の水彩ドローイング作品「満ちる周囲」は、落札予想価格10万~15万円のところ、12万6500円で落札された。

また1979年に制作されたアクリル、紙、板を使った平面作品の「界入差」は、落札予想価格40万~70万円のところ、上限の2倍を超す149万5000円と、予想価格を大きく上回る落札結果となった。

2014~19年の国内主要オークションに出品された、今回の作品と形状が比較的近いオリジナル平面作品(サイズ80cm未満)を抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標を見てみると、14年の落札価格の平均が30万円台だったのに対し、翌15年には68万円台まで高騰している。

高騰を後押しした作品のひとつに今回も出品があった「〈依界〉シリーズ」が挙げられ、この年の10月に開催されたセールでは、落札予想価格80万~120万円のところ、上限の約2倍の247万2500円で落札されていた。その当時の注目の高さがうかがえる。

以降16年~18年までパフォーマンスは下降傾向に転じるが、19年に入り、落札価格の平均は落札価格上限平均を上回っている。この上昇傾向がどこまで続いていくのか、今後の動向に期待したい。

(月1回配信します)

※アート・コンサルティング・ファーム提供 ⇒リポート全文はこちら

SBIオークションの次回開催予定は10月26日(HARAJUKU Auction)と11月1~2日(Modern and Contemporary Art)

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