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近づく決算発表 「景気変調への耐性」「変化対応」に関心 QUICK月次調査から

QUICKコメントチーム=弓ちあき

米中のさや当てに一喜一憂するのにも疲れてきたというところか。10月のQUICK株式月次調査では、1カ月後の日経平均株価の予想は3カ月ぶりに上方シフト。ちょうど1カ月後といえば、7~9月期決算の発表が佳境に入るころになる。前提として「思ったほど悪くない結果」(証券会社)となるとの見立てが支えになっているようだ。景気・企業業績への注目度は58%と、9月から11ポイント上昇している。

とはいえ、手放しで業績底入れを迎えるムードがやや楽観が過ぎる気もする。アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す9月末時点のQUICKのコンセンサスDIは4カ月ぶりに悪化。金融を含むベースでマイナス29と、前月から1ポイント悪化した。製造業DIに関しては横ばいのマイナス48だが、軸受けの不二越(6474)や川崎重工業(7012)は今期業績の下方修正を発表している。今後、アナリストの予想引き下げが相次ぐ可能性は否定できない。

また今回の低下は消費増税の影響を懸念されている非製造業での悪化が響いた側面は大きいが、製造業についてはこれからとなる公算も大きい。大手自動車の九州工場に勤務する筆者の親類は、10月以降は日韓関係の悪化で仕事が減り、残業予定が減るため手取りで7万~8万円影響が出そうだと嘆いていた。製造業の現場も芳しくないうえ、消費増税に手取り収入の悪化が追い打ちをかけるリスクも想像させる。

需給面では、当面は引き上げスタンスの投資家が多い点は明るい材料になりそう。ただ、セクター別の投資スタンスでみると手詰まり感も根強い。相変わらず「オーバーウエート」セクターの筆頭は「電機・精密」で、次いで「通信」、「建設・不動産」が続く。いったんグロースからバリュー株への資金シフトの流れも一服し、足元はむしろグロース株が再びアウトパフォームしつつある。

閉塞感が強まる中では「変化」への要求が高まる。ラグビー・ワールドカップ(W杯)での日本チームの健闘に世間は沸き、多様性がチームの躍進につながっていることをどのメディアも口をそろえて伝えている。

今回の月次調査では企業と機関投資家との対話を促す目的で定められた「スチュワードシップ・コード」について8割強の市場関係者から「効果が出ている」との声が出た。ガバナンス(企業統治)に対し前進を感じる向きは多い。2019年株主総会で出された株主提案は過去最高となり、かつては敵対視されがちだった「物言う投資家」との関係も、単純な二項対立ではなくなってきている。

上の表は今年に入って投資家が関与し、対応が注目を集めた企業だ。何らかの形で対話の受け入れを進めた企業では昨年来の株価をみると、TOPIX(東証株価指数)を上回る値動きの企業が目立つ。一方、九州旅客鉄道(9142)など対話での成果が見えにくかった企業の値動きは冴えない。

米バリュー・アクトキャピタルから社外取締役2名を受け入れたオリンパス(7733)。取締役の受け入れという一歩踏み込んだ関係性の中で株価は10月に上場来高値を付け、11月にも公表予定の次期中期経営計画への注目が集まる。ソニー(6758)は米サード・ポイントが提案した本丸の半導体分離上場に対しては否定的だったものの、保有していたオリンパス株を全株売却することで提案の一部を受け入れた。外部環境が読みにくい今こそ、変わることを恐れない企業精神が投資家に響くのかもしれない。

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