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NY金に1800ドルの壁 「カップの取っ手」が話題に

日経QUICKニュース(NQN)=山田周吾

近年、上昇基調が続いていたニューヨーク金先物相場の上値が重くなっている。4月中旬に心理的節目とされる1トロイオンス1800ドルに接近してから、値動きが膠着している。市場関係者の間では、特徴的なチャートパターンである「カップ・アンド・ハンドル」が出現したと話題になっているようだ。

■1800ドルを超えられない状況が続く

ニューヨーク商品取引所(COMEX)に上場するニューヨーク金先物は、2015年12月に清算値ベースで1050ドル付近まで下落したがその後は回復。新型コロナウイルスの感染拡大前までは、米株高の過熱感を警戒したリスク回避目的としての買いが目立っていた。

新型コロナの感染が広がると各国の中央銀行による大幅利下げが相次ぎ、金利がつかない金先物にマネーが流入。中心限月の6月物は4月14日には一時1788ドルと中心限月として約7年半ぶりの高値をつけた。ただ心理的節目とされる1800ドルを超えられない状況が続き、今も1700ドル台半ばの水準にとどまっている。

※NY金先物の推移

※NY金先物の推移、1700ドル台半ばの水準にとどまっている

■「カップ・アンド・ハンドル」

金先物の値動きについて、マーケットエッジの小菅努代表は特徴的なチャートパターン「カップ・アンド・ハンドル」を形成していると指摘している。投資対象が高値圏で推移した後、相場が大幅に下落すると投資家は含み損を抱えた状態で長期間保有を続けるため、再び元の水準に回復した際には安心感からの売りが出て、一時的に上昇基調に歯止めがかかることがある。

この場合のチャートがカップの縁に取っ手がついたように見えることからその名がついた。確かに12年後半からの月足チャートをみると、緩やかにカップの底を描いて今は反対側の縁にたどり着いた様子がみてとれる。「やれやれの売り」ならやがては収まり、さえない値動きはいつまでも続かない。「一時的に上値が重い展開になるが、いずれ上昇基調に回帰する」(小菅氏)との見方が強い。

※NY金先物の推移

※NY金先物の推移

長い目で見ると、金相場が前回盛り上がったのはリーマン・ショック後。直後には換金売りが出たが、米連邦準備理事会(FRB)などが量的緩和に動くと金相場は上昇を続けた。欧州の債務不安や米国債の格下げなどの材料が重なると、金は「安全資産」としても人気を集め、11年8月に1900ドル台に乗せ、9月には最高値の1923ドルを付けた。

世界各国はいま大規模緩和に動いている。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストはドルやユーロなどの通貨価値が希薄化する懸念があり、「代替通貨」としての側面が金先物の上昇基調を支えると分析する。新型コロナによる「有事の金買い」も意識されており、いったん跳ね返された1800ドルの節目は超えるのはそう遠いことではなさそうだ。その場合、息の長い上昇基調が再び続く可能性がある。

 

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著者名

日経QUICKニュース(NQN) 山田 周吾

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