【NQNニューヨーク=稲場三奈】6日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎多目的レジャー車(RV)製造のソア・インダストリーズ(THO) △17.7%
朝発表の2023年2~4月期決算で1株利益と売上高が市場予想を上回った。北米部門では減収となったものの、欧州部門の回復が寄与した。欧州では、値上げや人件費の抑制なども収益の押し上げにつながった。併せて23年7月期通期の1株利益見通しを従来予想から引き上げ、好感した買いが入った。
◎ソフトウエア開発のギットラボ(GTLB) △31.2%
5日夕に発表した23年2~4月期決算や24年1月期通期の業績見通しが市場予想を上回った。人工知能(AI)機能の積極的な活用が収益の追い風となるとの見方から、前回の四半期決算発表後に強まった成長鈍化懸念が和らぎ、買いが広がった。
◎「カルバン・クライン」などをライセンス生産するG―3アパレル・グループ(GIII) △28.0%
6日発表の23年2~4月期決算で売上高が市場予想を上回り、特別項目を除く1株損益は市場予想の赤字に反して黒字となった。在庫削減に成功したほか、売上高総利益率が大幅に改善した。同時に24年1月期通期の見通しを前回発表時から引き上げた。高級衣料のエクセルブランドの傘下にある「ホルストン」製品をデザイン・販売する25年間のライセンス契約を結んだと発表したことも好感された。
◎調味料のマコーミック(MKC) △1.6%
6日付でバンク・オブ・アメリカが投資判断を「売り」から「買い」に、目標株価を従来の75ドルから100ドルに引き上げた。担当アナリストは、南北アメリカや中国での売上高の増加に加え、原材料や物流などのコスト上昇が一服したことで、利益率の見通しが改善していることを評価した。
◎会計ソフトのインテュイット(INTU) △1.3%
6日、大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIシステム「GenOS」を発表した。税務や会計、マーケティングなどの課題解決に特化したAIだという。経営陣は「フィンテック界でのAIプラットフォームリーダーとなる新たな可能性がうまれた」と述べ、成長を期待した買いが広がった。
◎暗号資産(仮想通貨)交換業のコインベース・グローバル(COIN) ▲12.1%
米証券取引委員会(SEC)が6日、未登録の交換所運営に携わったなどとしてコインベースを提訴した。SECはコインベースの事業が投資家保護に反すると判断した。3月には強制措置を講じる前に通知する「ウェルズ通知」を出していたが、経営の先行きへの不安が一段と強まったとして売りが膨らんだ。